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島国二人の男と自分の小話
仮題は「トレイントレイン」でした。 ずっとこねくりまわしてたんですが、とりあえずアップしてみる。 またこねたくなったらこねこねしてるかもしれないです。
きっとあなたは、私の事など他の植民地と同じようにしか見ていなかったのでしょうね。
伏し目がちに、その男はそう呟いた。 狭軌 言われた意味を理解するのに数秒を要し、更に 何言ってるんだ、大体お前を植民地にしたことなど無いだろうが。 と、言おうとして半ばまで開かれた口は、しかし何の音を発することもなく、再び閉じられた。 男が問題にしているのは、植民地にしていたかどうかではない。 植民地のように見ていたか、それだけだ。 得意の話術で丸め込もうとするには、目の前の男は勘が鋭すぎた。 行間を読む男の癖は、素直な感情を表現することが苦手な自分の発言の真意を滑らかにくみ取ってくれるため、比較的意思疎通がしやすい存在だと思っていたが、思わぬ落とし穴だ。 舌打ちをするのを我慢して、更に口を噤む。 沈黙が降りる。 別に当時の事を反省しているわけではない。 あの頃の自分は、あの頃なりに正しかったと自覚している。 ただ、この空間に生じた若干の居心地の悪さを当時の、勢いに乗って調子づいていた自分のせいにしたくなった。 陽が、沈みかけていた。 結局何も言えずに、男の方を見る。 相変わらず伏し目がちな男と、目が合うことは無かったが、 その表情は別段何かを責めている風でも無かった。 ただ、何に拘る訳でも無く茫洋と視線を漂わせている。 自分も同じ方向に目線を向ける。 別段珍しくもない、朝顔が金網に巻き付いていた。 遠く、耳慣れない虫の鳴き声が響く。 ぷあーん と、気の抜けた音がした。 「ああ、電車がきましたね。」 車体を軋ませ、各駅停車がホームに滑り込んできた。 構内アナウンスが、にぎやかに行き先と乗り換え方法の案内をしている。 時計を見る。 電車が到着した時刻は、電波時計である自分の時計で確認しても、定刻と数秒違わない。 流石だな。と呟くと、 「でしょう?」 と、男は誇らしげに微笑んだ。 今度は、目が合った。 真っ黒な、相変わらず底の見えない目だったが、 珍しく夕陽を反射して輝いていた。 PR |
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Re:島国
「当時の日本では自力での建設は無理なので、技術や資金を援助する国としてイギリスを選定した。byウィキペディア」
だそーです
日本の線路が欧米に比べて幅が狭いのは、英国のお雇い外国人の何かが絡んでるとか単に予算の関係とか色々あるらしーですぜ!!
着く前の話かー。考えてみるー!
だそーです
日本の線路が欧米に比べて幅が狭いのは、英国のお雇い外国人の何かが絡んでるとか単に予算の関係とか色々あるらしーですぜ!!
着く前の話かー。考えてみるー!