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妄想を絵では表現できなかったので、文章で表してみた。
でも文章でも何か足りないっていうか決定的に語彙が足りない。 書きかけで放置していたんだけど、文中に5月の庭とか出てくるから、あわててアップ。 もうアウトだよ。 ********************************
会話が途切れた拍子に、何の気なしに目線を窓の外に投げた。
眩い5月の光に包まれた、手入れの行き届いた庭。 いや、『庭』というより『ガーデン』と表現した方が、語感的にあっている気がする。 つくづく、自分の言葉は外来語を取り込むのが好きらしい。 眩しさに細めた目が外の光に慣れる頃、 目はそのガーデンの片隅で一心不乱に何か作業をしている家主に焦点をあわせていた。 集中しているのだろう。きっと彼は、こうやって自分がここから眺めていることにも気づいていない。 溶けていってしまいそうだな。 不意に、春の夜に彼から言われた言葉が脳裏に蘇った。 月も出ていない晩だった。確か夜桜を見に行った帰りで、二人で夜の住宅街を歩いていた。 街頭が少ない町で、暗めの色の外套を着た自分は髪の色とあいまって、きっと闇夜の鴉のようだったのだろう。 彼の数歩先を進んでいた自分がその声に振り返った時目に映った、 ぽつぽつと頼りなさげに立つ街頭の光の輪の下で、不安げにたたずむ彼の姿が印象的だった。 そうしたわけではないのに、まるで置いて行かれた迷子のようだった。 今の自分も、端から見るとそんな風に見えるのだろうか。 眺めれば眺めるほど、とらえどころが無くなって不安になる。 溢れる光の中で目に映る金色の髪と白い肌はあまりにも儚い。 きっと今目を離すと、光の洪水に飲まれてしまって、黒い私の瞳には捕らえられなくなってしまうのだろう。 溶けていってしまいそうなのは、あなたのほうです。 そう思った。 「日本?」 そう、呼ばれて視線を室内に戻す。 でも、目には光が焼き付いていて、なかなか元には戻れない。 焦点の合わない目で曖昧に笑う。 その光は、暴力的なほどに美しかった。 ****** メールト、溶けてしまいそう~!ですな。。 PR |
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